片寄涼太は革命である

私の初めての推しの片寄涼太くんはLDHやEXILETRIBEとしても初めてのキャラクターで成功した人間だと胸を張って紹介したい。

 

彼は15歳の時に現在の三代目 J Soul Brothersのボーカルを決めるVOCAL BATTLE AUDITION2に参加したことがきっかけで現在GENERATIONSのボーカルとして活動している。

彼がオーディションに参加したのは歌手になりたいという夢があった訳ではなく、自身が地方のライブにも参加するくらいのEXILEのファンだったので自分の歌をATSUSHIさんに聞いてみて欲しいと思ったかららしい。思い出作りみたいな記念みたいなものだったと、デビュー後に語っている。オーディション参加当時の映像を見ると、自室の壁にはEXILEのポスターが貼ってあり当時のファンクラブの会報や参加したライブのチケットを丁寧に紹介する彼が映っている。15歳の男子高校生で住んでいる大阪以外のライブにも参加したりファンクラブに入って会報を大事に取っておいている所を見ると相当好きで、その好きは大きな憧れだったりしたのかな、と思う。

しかし今、彼はワイルドな見た目ながら甘い歌声を持つEXILEのようなボーカルにはなっていないし、見た目は荒削りでカッコいいEXILEらしいものではなく漫画に出てくるような甘い顔のイケメンだ。

私はLDHから離れてK-POPやジャニーズのアイドルのオタクをし始めて、LDHにはキャラに命を懸けてる子がいないな〜と思った。キャラとして確立しやすい「かわいい」を演出する子もいないし、そのような楽曲やコンセプトというものも一切存在しない。恐らくLDHは自らをアイドルとして活動をしていない人がほとんど。アイドル=かわいい というイメージを持っているからなのもあるのか、それぞれが試行錯誤してキャラクターを定着させる事は不必要なのだろう。また、事務所を作る基盤となったEXILEはダンサーからなるグループだったからキャラクターというものは不要だったと考える。しかしアイドルには「かわいい」をはじめとするキャラクターが必要だ。LDHは始まりがダンサーだったり、自らアイドルと名乗ってないだけで今はアイドルみたいなもんだ。というかファンがアイドルとして扱っている。そうなると何かしらのキャラクターがなければつまらない。

私はGENERATIONSはLDHで初めて自らをアイドルとして扱ったグループだと思っている。おそらく無意識だろうけど。そしてその中で自らをアイドルのような扱われ方をすることに乗っかり、キャラクターをセルフプロデュースして成功したのが紛れもない、片寄涼太である。

かつてEXILEに憧れたことがきっかけで入ったLDH。しかしEXILEらしい容姿ではないため、多数の人が持つEXILEのイメージ像とは真逆の印象を持たれていた。

同じような境遇の先輩として三代目 J Soul Brothersの岩田剛典が挙げられる。数々のドラマや映画をきっかけにグループとはまた違う土俵で勝負して来た、そしてまた涼太くんのようにEXILEのイメージ像と真逆の印象を持たれる人間だった。

しかし岩田剛典はパフォーマーであり、ダンスをずっとやってきた人だ。ダンサーだったのでドレッドヘアをしたり髭を生やしたりしてたこともあったし、EXILEのメンバーともダンサー時代に同じチームだったりと、従来のEXILE像がぴったり当てはまる人と境遇は同じなのである。つまり彼は持たれるイメージに答えつつも、EXILEらしい要素はいくらか持ち合わせていたし、自らもそのような自覚があったと思う。

それに比べて涼太くんはボーカルで、EXILEが誕生した経緯や数多くのEXILETRIBEメンバーのダンスのルーツのようなエピソードが彼にはないし、EXILEらしいを彼が求めた所でそもそものルーツが無いことから到底無理に近いのである。

それが従来の活動から飛び出して活躍しながらも自分の中の「EXILE像」は突き通すことができた、パフォーマー岩田剛典との違いだと私は思う。

涼太くんはハンデが多いのだ。「EXILEらしく」と志したところでかけ離れている点が多いし、EXILEを継承すると言ってもボーカリストという点で他のパフォーマーと共鳴し合える事はパフォーマー同士より少ない。

彼はファンやメディアが勝手に解釈した「王子キャラ」を自ら定着させた。バラエティなどで胸キュンセリフを言う時は絶対に模範解答を出したし、常日頃からアイドル的な発言を一人だけたくさんした。ファンの求めていることにまるっと答えた。

そして「EXILEらしくない」から生まれたキャラクターを武器に一人、EXILE TRIBE内で抜きん出て活躍する人物となる。

そのきっかけとなったのが初主演映画「兄に愛されすぎて困ってます」だ。この映画が中国で人気になり、個人でファンミーティングを開けるようになったりグループとして中国ツアーを回れることになった。

中国ツアーでの客席のネームタオルは片寄涼太の文字ばかりだったが、メンバーは彼を「王子」「スーパースター」と半分茶化しながらも「片寄が掴んでくれたチャンス」という捉え方をして彼に対して敬意を表してくれた。また涼太くんも1人真剣に中国語を勉強し、MCでもできるだけ中国語を話し、与えられたチャンスにしっかり答えていた。

涼太くんはただの王子キャラじゃなくて本物の王子様だった。そのくらい自分が進むと決めた道で完璧を叩き出し続け、求められて答えると決めたキャラに上乗せして辛辣で毒舌なツッコミをする関西人の自我も出してくれて本当にトークやメンバーとの絡みも面白くなった。

現在ではドラマに何回も出るようになったし、キラキラ青春もの(メンちゃんが言い始めた「王道恋愛映画」の意)の主演もまた務めさせてもらえたし、中国の雑誌にもよく載るようになった。ファッションイベントやブランドのモデルの仕事を貰うようになった。

全ては彼が自分らしい方法で勝負した結果である。今でも彼は多忙で、休みがなくて、歌とグループ活動のみに集中出来る状況ではないと思う。でもわたしは彼がLDHに革命を、新しい可能性を見せてくれたことをずっと誇りに思っている。

ダンスの講師してたりアパレルしてたり俳優してたりコーヒー屋やってたりMC業を極めたりDJやったりなど色んな開拓をしている人が多いLDHだが、そんな中で自分の、周りとはなんか違う印象を武器にしてここまで大きく飛躍し、新しい道を示した涼太くんに感謝しています。

是非これからも自らが築いた道を進み続けてください。どこまでも着いていきたいです。